*1巻のプチおさらい*
めでたく2巻が出ました。ついては、<1巻のプチおさらい>をお届けしておきます。
読書のご参考にどうぞ!
ここは、出口も入り口もない壁に囲まれた町、ウェルド。
主人公の少年ライは、二人の兄ダークとショルトと、母(リズベス。蜂飼い)とともに、
貧しくも平和に暮らしていました。ところが7年前の夏から、夜になると“スキマー”という怪鳥の大群が、壁を越えて飛来。人や家畜、穀物、果物を次々と食い荒らし、市民は恐怖のどん底に! いったい、誰がこんな怪鳥を送りつけてくるのか?
市民の不安と恐怖は日々つのるばかり。ライたちの父(ウェルドの壁を補強する作業員だった。壁の作業員はウェルドの花型職業)もスキマーにやられて殉職しています。
ところが、頼みのウェルド総督(←かっこばっかり!)は手をこまねいて、何もせず。
忍耐の限界にきた若者たちが暴動を起こし始めると、やっと、
「壁を越え、スキマーを送りつけて来る<敵>を成敗に行く有志を募る」
と公示を出したのです。応募条件は「18歳以上の男子。みごと、敵を倒して帰還した者にはわが娘の婿とし、総督職を継がせる」。ただし「1年以上帰ってこなければ、死亡とみなす」と。
総督は、“総督塔”に住んでいます。そこはいわゆる、市長舎と市長(総督)公邸をひっくるめたような広大な建物で、我こそという若者が続々と応募につめかけます。
ライの長兄ダーク(三兄弟のなかで唯一の18歳以上)も、母の反対を押切り、勇んで応募します。ところが──帰ってこないんですね、1年経っても。
お母さんは歯を食いしばって悲しみに絶え、生業に励みます。
するとこんどは次兄のショルトが、18歳になったたんに応募。
こちらも帰ってこない・・・。兄二人は、総督府から死亡扱いにされますが、ライはどうしても納得できない。16歳になったライはなんとか、二人の兄を探しに行きたい思うようになります。でも今や、母のそばには自分しかいない。
そうしているうちに、スキマーの攻撃は年々、激しさを増すばかり。
ある日、ライの善意の不注意から、ライ母子に“とんでもない”災厄がふりかかり・・・
それをきっかけに、母と総督塔へ向かったライに、壁をチャンスが到来。
彼は18歳だと年齢をいつわり、まんまと有志に。
ところが、もう一人、自分の近辺に壁を越えたがっている者(=少女ソニア)が潜んでいるとは、夢にも知らぬまま、総督塔の一室(「扉の間」)に案内されます。
そこには金銀木の<3つの扉>があり、有志はどれか一つを選んで、くぐり抜けることに。扉の上の、ウェルドを作った魔術師ダンによる但し書きには「よくよく考えて選べ」と記されているのですが──ライは自分の願望を抑えて、華やかな長兄が選びそうな金の扉を選びます。
こうして、金の扉をくぐったライとソニア(=ソニアは、ライを半ば脅迫して、ついてきます。原書を読んでもその辺は見どころ? いや読みどころでした!)二人に待っていたのは・・・と、まあ、こういうわけです。2巻よろしく!お願いします!!